光回線契約はクーリングオフ対象外！キャンセル方法を分かりやすく解説

こんな悩みを解決できます！

光回線の契約後に質問をいただいたり、相談を受けることは多いです。

初めて光回線を契約する人や、乗り換えでも不慣れな人はいらっしゃいますからね。

場合によっては契約をキャンセルしていただくこともあります。

光回線の業務に11年以上携わってきた上で、キャンセル方法やそこに至る事例、注意点をお伝えします。

記事の前半ではキャンセル方法とその制度、後半では失敗してキャンセルしないためのポイントを具体的に解説します。

【光回線契約後のキャンセル】開通前までであれば問題なく可能

「光回線を契約したけど、事情があって解約したいけどできるのかな…？」と悩んでいる人も大丈夫です！開通（工事）前であればキャンセルできます。

光回線の工事前であれば、基本的に光回線事業者はキャンセルを受け付けてくれるからですね。飲食店などで注文後でも、調理前であればキャンセルしたり変更してもらえるのと同じような感じです。（ご迷惑おかけしますが。）

キャンセル自体は問題なく出来るので、初めて経験の人もまずは安心してください。

キャンセルを受け付けてくれない悪質業者は、【初期契約解除】という制度を利用する必要となる場合もあります。

インターネット回線は「クーリングオフ」対象外

実はインターネット回線にはクーリングオフは適用されません。
でも代わりになる制度はちゃんとあるので、ご安心ください。

インターネット回線契約には「電気通信事業法」という法律があります。難しそうな名称ですが、消費者を守るための規則ですね。

電気通信事業法に、クーリングオフと同じような制度で「初期契約解除」と「確認措置」というものがあります。

必要な場合はこの制度を使って、ユーザー側の意思のみでキャンセル可能です。

※この制度を利用せずともキャンセルできる場合がほとんどなので、手っ取り早くキャンセルしたい人は　一般的なキャンセル3手順　まで進んでください。

【クーリングオフ】とは

クーリングオフは訪問販売や電話勧誘販売などで契約した場合、一定の期間（8日間または20日）であれば無条件で契約を解除できる制度です。

「Cooling-Off」＝「冷却期間」や「冷静になる時間」という意味。

訪問販売や電話勧誘などで、冷静な判断ができない状態で契約してしまったものを再考できる制度ですね。

訪問や電話勧誘で光回線を契約した場合は、クーリングオフを使えそうですが「通信サービス」は対象外です。

【初期契約解除】光回線を無条件で解約

「初期契約解除制度」は、インターネット回線や携帯電話サービスなどの電気通信サービスの契約を、8日以内であれば無条件に解約できる制度です。

契約を受領したタイミングから8日以内（または、端末を受け取ってから8日以内）が適用期間で、事業者によって8日の起算日が異なる場合があります。

シェア率上位のドコモ光とauひかりなら、以下のように記載されています。

「ドコモ光／ahamo光」の新規ご契約、プラン変更については、初期契約解除制度の対象となるご注文です。
お申込後に郵送される「ドコモ光契約申込書」をお客さまが受領された日から8日以内（受領された日を含む）に、書面により対象注文の契約解除を行うことができます。

出典：初期契約解除｜NTTドコモ

auひかりは8日間キャンセル（初期契約解除制度）の対象です
お客様は、KDDIから交付した「契約内容のご案内（契約書面）」の受領日から起算して8日間、契約の解除を行うことができます。

出典：auひかりサービスご利用にあたって｜KDDI

内容的にはクーリングオフと同じように感じますが、工事費用等は自己負担になったりで費用負担の条件が違います。
（工事前なら基本的に費用は発生しません。）

初期契約解除は契約時に事業者側に説明義務があります。大事なことなのでしっかり聞いておきましょうね。

初期契約解除の方法は記事内の　【初期契約解除】のやり方　で解説しています。

【確認措置】携帯やモバイルWiFiにはこの制度

「確認措置」は光回線契約には使えない制度です。携帯契約やWiMAXなどのポケットWiFi、SoftBank Airなどのホームルーター（置くだけWiFi）で適用できます。

SoftBank Air

出典：SoftBank

電波のつながり具合や事業者による説明等が不十分な場合、携帯電話などの端末も含めて違約金なしで契約解除できます。ユーザー側の自己都合ではなく、あくまでも事業者の責任という制度です。

端末費用も負担する必要がないのが「初期契約解除」とは異なりますね。 （機器は要返却）
申し出が可能な期間は最低8日で、事業者が定めています。

使える事業者は決まっていて、総務省で認定を受けた「携帯電話端末サービス及び無線インターネット専用サービス」で使えますね。

認定事業者については、総務省のページにて確認できます。

　総務省の「確認措置」

制度利用時の自己負担金

「初期契約解除」は解約金以外自己負担です。
「確認措置」は実際に利用した期間の料金以外は負担は発生しません。

	初期契約解除	確認措置
解約金	負担なし	負担なし
事務手数料	自己負担	負担なし
工事費用（工事後）	自己負担	負担なし
端末代金	自己負担	負担なし
利用期間の通信費	自己負担	自己負担

制度上こういう考え方なので、初期契約解除は負担割合が多いです。制度を利用するなら「確認措置」は光回線では使えないので、「初期契約解除」を使うことになります。

工事前であれば工事費用も事務手数料も発生していないので、ユーザー負担はありませんね。

必要書類の送付料金は、どちらの場合でもユーザー負担です。

【光回線開通前】キャンセル方法

光回線の開通前であれば、多くの場合「初期契約解除」を使わずにキャンセルできます。初期契約解除を使うまで手続きが複雑になることはほぼありませんね。

各事業者の連絡手段は電話やチャット、メールなどの対応でまずは対応可能です。

一般的なキャンセル3手順

多くの光回線サービスで、申し込みについての連絡先窓口が用意されています。
（Web対応のみのところもあります。）
　連絡先電話番号は、契約書面やホームページなどに記載がありますね。

申し込みをした窓口が代理店だった場合、どちらかと言えばカスタマーサポートなどの光回線事業者側で用意された連絡先に電話した方が良いです。代理店側にキャンセルを申し出ても、再度営業を受けることもあります。

まずはキャンセル意思を伝える

キャンセル意思を伝える時は、理由もきちんと伝えるように。
キャンセルの理由が実は勘違いだったり解決できる内容であれば、事業者が教えてくれることもあるからです。

など理由はなんでもよいですが、正直に伝えましょう。
ユーザー都合の場合は、少なからず事業者側にも迷惑かけますからね。

機器等が届いている場合は忘れないように返却

ONUや無線ルーター等、レンタル機器は必ず返却してください。

回線終端装置（ONU）

出典：INTERNET Watch

放置してしまうと最悪の場合、端末代金を請求されることになるので注意が必要です。

「乗り換え前の光回線を解約手配した場合」解約のキャンセルをする

乗り換え前の光回線をすでに解約手配（月末までとかに解約予約など）している場合、解約の取りやめを忘れずに連絡しましょう。

忘れてしまうと、インターネットが使えない状態になってしまいます！

解約のキャンセルは早めに行わないと受け付けてもらえないこともあるので、余裕をもって連絡することが大切です。

【初期契約解除】のやり方

初期契約解除をするには書面を作成して送付する必要がありますが、多くの事業者のサイト上に手続き方法やフォーマットが掲載されています。

ドコモ光の書面作成時の記載例は、以下のようなものがあります。

初期契約解除のご申告書面の記載項目例

・ご契約者名（フリガナ）
・ご契約住所
・ご連絡先電話番号
・「ドコモ光／ahamo光」の契約を解除したい旨
・受付時にお渡し（郵送）される「ドコモ光契約申込書」の受取日
・ご契約ID
・「ドコモ光／ahamo光」と対となる携帯電話回線の番号（ペア携帯回線を設定されている場合）
・書面発送日

出典：初期契約解除｜NTTドコモ

書面が作成できたら後は郵送するだけですが、送付日時など記録が残っていないとトラブルになることもあります。

郵便局の「 特定記録郵便」など、送付した記録が残るもので送りましょう。

【光回線開通後】すぐに解約したい場合

開通後すぐの解約はできますが、自己都合での解約となります。　

自己都合になるため、費用や手続き面ですべて自己負担ということです。

開通後の解約は費用がかかる

開通後すぐの解約は、解約金や工事費の支払いが発生します。制度を使わずユーザー側の都合なので自己負担になりますね。

開通後の解約については、このような3つの相談をよく聞きます。

すべてユーザー側の都合、自己負担ですね。インターネットは「ベストエフォート」と言って、速度の保証ができないサービスなのです。

ベストエフォートの説明は契約時に必ずあるので、「知らなかった」では通じないんですね。
(もし本当に説明が無かったのなら悪質業者ですが、口頭での説明や書面にも必ず記載があります。)

なので速度やWiFiの繋がりやすさなど理由は、事業者側での責任にはなりません。
あきらめてそのまま使うか、費用を負担して解約するかの二択になってしまいますね。

状況に応じて「費用負担なし」で解約できる

ユーザー側の都合ではなく「事業者」や「代理店」の都合やミスであれば、費用負担なしで解約できるケースもあります。

自己都合ではないので、例外的な措置を取ってもらえるということですね。
こんなケースが該当すると思います。

ユーザー側に過失はないため、何らかの対応をしてもらえることが多いです。

悪質な場合は消費者センターへ報告

ユーザー側に過失がないのに、適切に対応してもらえない。そんな悪質業者の場合は、消費者センターに相談しましょう。

間に第三者が入ることで、スムーズに事が進みます。弁護士登場で悪徳業者が急に大人しくなるみたいな感じです。

悪質だった場合でも泣き寝入りは絶対にしないようにしましょう！

［初期契約解除］が適用できる場合

「初期契約解除」は書面到着後8日以内という条件があります。

基本的に工事完了後には書面到着から8日間が過ぎていることがほとんどなので、工事後（開通後）は使えないんですね。

開通後に間に合って使えたとしても、おすすめできません。なぜなら、免除されるのは2,000円〜6,000円程度の解約金のみだからです。

工事費や事務手数料などは請求されます。

工事費用は20,000円〜45,000円くらいです。

初期契約解除は工事完了後は使えない可能性が高い上に、使えてもかなりの費用がかかることがありますね。

【光回線の選び方】失敗してキャンセルしないために知っておくべきこと

余計な労力をかけないために、契約後のキャンセルはできるだけ避けたいですよね。

自分も疲れるし、事業者側にも迷惑をかけることにもなります。

「今使ってるサービス」「使いたいサービスはあるか」確認

基本的なことですが次に使う予定の光回線で、使いたいサービスが利用可能か確認しましょう。もし使えないサービスがあれば、代替案を考えないといけません。

似たようなサービスや代替案があっても、内容が異なることがあります。

どんなサービスが使えるのか、引き継いで使えるサービスがあるかの事前チェックはたほうが良いですね。

よく使われている「光回線付属サービス」を3つあげるとすると、

これら3つはキャンセル理由としても多いので、しっかり確認しましょう。

この3つの「光回線付属サービス」について説明します。

光回線の固定電話［ひかり電話］

ひかり電話は、固定電話を光回線で使うサービスです。固定電話を使う人はかなり減っていますが、それでも利用者はまだまだいます。

光回線を使っている場合は、固定電話は光と一緒になっていることが多いですね。

ひかり電話かどうかわからないときは、電話機の線（モジュラーケーブル）がどこに繋がってるか確認してください。

電話機からのモジュラーケーブルがONUに繋がっていればひかり電話です。

自宅の固定電話がひかり電話になってるのを知らずに乗り換えた結果、固定電話が使えなくなるトラブルがあります。

また、固定電話の番号を番号ポータビリティでそのまま引き継げるかどうかは条件次第です。新規工事や事業者変更で条件は変わるので、不安なら乗り換え先事業者に確認したほうが安心です。

自宅の固定電話がひかり電話の場合は、

この2点は事前に確認しておきましょう。

光回線のテレビサービス［ひかりテレビ］

フレッツ光では「フレッツ・テレビ」というテレビサービスがあります。
アンテナではなく光回線で地上波のテレビが見られます。スカパーなどの専門チャンネルも追加で見れますね。

少し複雑ですが、NTTドコモ（旧ぷらら）が提供する「ひかりTV（ひかりティーヴィー）」と「フレッツ・テレビ」は別サービスです。

光コラボではフレッツ・テレビと同様のサービスが使えます。

「電力系光回線」にも同様に光回線で見るテレビサービスがあります。

auひかりとNURO光は、地上波のテレビのサービスには対応してません。
なのでフレッツ・テレビを使っている場合、この2社に乗り換えるとテレビが見れなくなります。※NURO光には一応代替えサービスがあります。

代わりにアンテナを用意したり、別途ケーブルテレビと契約する必要がありますね。

フレッツ・テレビを利用しているかわからない場合は、光回線のONUを見てください。そこにテレビの同軸ケーブル（円形で硬いケーブル）が繋がっていればフレッツ・テレビです。

光回線を乗り換えて急にテレビが見れなくなったとならないように、必ずチェックしましょう。

光回線に付随する「無料サービス」

光回線業者によっては、特典として各種無料サービスを提供しています。
「無線ルーター(Wi-Fi機能)」無料レンタルなどよくありますね。

「とくとくBB光」では無線ルーターを無料で貸し出していたり、「NURO光」のようなONU内蔵型のWiFiなどがあります。

ほかにも無料のセキュリティ機能やポイントが貯まるサービスなど、色々ありますね。

無料サービスが有料になることで、実はたいして安くならなかったなんてこともあります。当たり前に使ってるサービスが実は他社では有料、もしくは取り扱いが無いということがあるので注意ですね。

「家族」「同居人」などの了承を得る

ご家族と同居している場合は、みんなでインターネット回線を使っていることが多いでしょう。その場合は事前に相談、少なくとも声かけだけでもしてください。

他の家族がこだわって使っているとか、特殊なサービスを使っていて乗り換えられないこともあります。

勝手に進めるとトラブルになってしまいますからね。念のためにご家族の意向を確認しておきましょう。

「解約金キャッシュバック」「キャンペーン」適用条件の確認

キャンペーンの適用条件が複雑なことがあります。よくわからなかったり条件合わなかったりで、解約金を自己負担することになる場合も。

コストダウンやキャンペーン目的で乗り換えたのに、結局受け取れなかったら乗り換える意味がありませんよね。　　

こういった認識相違が本当に多いですね。

ウェブサイトで申し込むときは、条件や注意事項の箇所も飛ばさずに必ず確認しましょう。対面や電話での申し込みのときは、理解できるまで遠慮なく聞いてくださいね。

おすすめの光回線4選

「キャンセルできたとしても、失敗はできるだけ避けたい！」
そんな人は光コラボから光回線を選ぶと失敗しにくいでしょう。

特に同じキャリアのスマホが2台以上あれば、セット割最優先ですね。

携帯キャリアを乗り換えても工事不要で光回線も一緒に乗り換えられるため、将来的な選択肢も豊富です。特別なこだわりや事情がなければ、光コラボから光回線を選ぶとキャンセルのリスクも減りますね。

【とくとくBB光】無難に安く使いたい人向け

【とくとくBB光】はGMOが運営している光コラボで、利用料金が最安値水準です。

スマホとのセット割はできないので、格安スマホやとにかく光回線を安く使いたい人が利用している光コラボですね。

光回線	戸建てタイプ	マンションタイプ
とくとくBB光	4,810円	3,773円
ドコモ光	5,720円	4,400円
ビッグローブ光	5,478円	4,378円
SoftBank 光	5,720円	4,180円
So-net光Mプラン	5,995円	4,895円
＠nifty光	5,720円	4,378円
＠T COMヒカリ	5,610円	4,180円
エキサイトMEC光	4,950円	3,850円
NURO光	5,200円	3,850円
auひかり	5,610〜5,390円	4,180円〜（一部例外）

セット割対象のスマホをお持ちでなければ、とくとくBB光が安値で使えますね。

光コラボは600社以上あるので、料金が同じ水準の光回線もあります。
その中でもとくとくBB光は特典も豊富なのでおすすめですね。

スマホのセット割引が1台だけの場合でも、セット割がないとくとくBB光のほうが安いこともあります。割引を含めた総額で比較してみてください。

【ドコモ光】ドコモスマホユーザー向け

「ドコモスマホ」を利用中の人は、【ドコモ光】がおすすめです。

「ドコモスマホ」を持っていて1,100円の割引対象であれば、ドコモ光を選ぶと良いですね。

【ビッグローブ光】auスマホとUQモバイルユーザー向け

「auスマホ」「UQモバイル」の利用ユーザーは【ビッグローブ光】がおすすめです。

BIGLOBEはKDDIの完全子会社なので、KDDIのスマホとセット割ができるんですね。

• auスマホセット割：auスマートバリュー
• UQモバイルセット割：自宅セット割

他にもauスマホとセット割のできる光コラボはありますが、ビッグローブ光は同じKDDIなので、支払いをおまとめしてわかりやすくすることも可能です。

一応、スマホが【BIGLOBEモバイル】ならセットで200円安くできます。

「auスマホ」「UQモバイル」利用者なら、ビッグローブ光を選べば間違いはないですね。

【SoftBank 光】ソフトバンクスマホとワイモバイルユーザー向け

「ソフトバンクスマホ」「ワイモバイル」を利用中なら【SoftBank 光】がおすすめです。

スマホと光回線の請求をまとめて、わかりやすくすることもできますね。

【NURO光】も「ソフトバンクスマホ」の割引はできます。（ワイモバイルは対象外）
速度や料金を重視する場合はNURO光もありで、総合的に選ぶならSoftBank 光です。

まとめ

本記事のまとめです。